池波正太郎 「鬼平犯科帳」
文春文庫版8巻の「明神の次郎吉」より抜粋~
「つぎに、軍鶏の臓物の鍋が出た。
新鮮な臓物を、初夏のころから出まわる新牛蒡のササガキといっしょに、
出汁で煮ながら食べる。熱いのを、ふうふういいながら汗をぬぐいぬぐい食べるのは、
夏の快味であった。」
という具合、で、これを盗賊の次郎吉が、
「うう……こいつはどうも、たまらなく、もったいない」と言いながら大喜びで食べる。
暑い夏こそ軍鶏鍋なのである・・・。
汗をかきながら味わう軍鶏鍋は格別だったのでしょう。
「野むら山荘の軍鶏鍋」
軍鶏肉、牛蒡、葱、三つ葉、特製出し汁
シンプルな素材構成ですが、味わい深く美味です。