関守石の独り言

鹿→殺す→死罪

2021年02月17日

雪のちらつく大原・・・ほんとに寒い。

 

四季がはっきりとした日本、ましてや京都だからやむなしではあるが

悪いことばかりではない。

四季がはっきりしてるということは、季節を愉しめるということだ。

 

料理だって、春・夏・秋・冬と食材もがらりと変わり、目にも愉しい。

冬となれば、ふぐ、蟹、牡蠣、ぶり等の海の幸が美味しい季節だ。

ここ大原は海もなく、海から運ばれてくる海産物を戴くしかないが

野山の恵みはたくさんある。

冬の季節なら、猪や鹿、熊なんてのも山の恵みである。

今のところ熊は京都府の条例により狩猟が禁じられているため

他方から買い求めるしかないが、猪や鹿はご近所さんである。

裏山では鹿が鳴いているし、猪の糞なども近くで確認できるから

夜はきっと猪や鹿のパーティーが開かれてるに違いない。

 

落語ネタ

京都の噺ではないが、奈良が舞台の噺に「鹿政談」がある。

奈良の名物といえば、大仏に鹿の巻き筆、あられ酒、春日灯篭、町の早起き

なんかがある。

鹿は春日大社のお使いで「神鹿」とされている。

鹿を誤って殺したりすると死罪になるので、朝起きて家の前に鹿の死骸があろうものなら

あわてて隣家の家の前に移動しておく。隣の家も向かいの家も用心するため

どんどん早起きになるということで、奈良の町は早起きが名物の一つになったとか。

 

しかしながらこちらは京都。

死罪にならないことをいいことに、この冬も鹿を献立に入れている。

一頭の鹿に2本しか取れない背ロース肉。

筋がないので非常に柔らかいのが特徴。

鹿肉もいろいろな料理法があるが、脂身がほぼ無いので火を入れすぎるのは厳禁。

パサパサになって美味しくない。

かといって生では具合が悪いので、野むら山荘では専らフライである。

パン粉をつけて揚げるという料理法は、食材をパン粉という衣をまとうことで

直接外からの火に当たることを防ぎ、中の食材は衣の中で適度な水分を保ちながら蒸しあがるという

とても優れた手法。

今のところ、鹿肉にはこのフライが一番だと思い、店主は今日もせっせと衣をつけている。

 

カテゴリー: 関守石のひとりごと
京都大原 野むら山荘 〒601-1247
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